2012年暮れに香港へ移住してから、今年で丸10年となります。
色々と紆余曲折はあったものの、この10年、一度も香港移住を後悔したことがないばかりか、未だに毎朝の起床と共にこの地で生活できていることに喜びを感じています。
この記事では、簡単な経歴に加え、そもそもなぜ海外移住を決意したのかについても記載したいと思います。
目次
香港移住のきっかけ
日本での社会人時代
大学を卒業後は、大手オーディオメーカーに勤め、月の大半を海外で過ごす日々を送っていました。
中国(広東省・広州市)の自社工場で月の半分以上を過ごし、残りは客先がいる世界各地(北米・ヨーロッパ・アジア)を飛び回るという生活を5年ほど続けていました。
20代半ばで、しかも仕事の能力が大してある訳ではない平社員にも関わらず、会社の経費で世界各地に滞在し、美味しいものを食べたり飲んだり・・・。同様に経費で飛行機のマイルを貯めまくり、出張フライトがビジネスクラスにアップグレードされるなんて当たり前。
体力も気力もピークである時期に、こんな経験ができたことには感謝しかありません。
常に感じていた人生の短さ・儚さ
同時に、常に頭の中には、色々な不安が過ぎっていました。
- 果たして定年退職まで、同様の生活を送れるのだろうか。
- 大して仕事ができない自分は、将来リストラされるのではないだろうか。
- 仮に無事に定年退職できたとしても、その時にはすでに60代。同じ組織・文化・景色の中でしか働かずに人生の大半を過ごしてきたことを、後悔しないだろうか。
不安はどんどん大きくなり、ここに居続ける訳にはいかない、と思うようになってきたのです。
広東語に対する憧れ
学生時代から、広東語に対する一種の憧れのようなものがあり、旅行先・出張先でも必ず最寄りのチャイナタウンを散策していたものです。
通っていた都内の広東語教室の先生からも、何かをマスターするには一万時間が必要だよ、とよく言われており、「一日3時間勉強しても10年・・・であればいっそのこと香港に住みたい。」などと考えていたものです。
何をしたいのかが分からなかった
ただ、最も大きな理由として一つ言えることは、自分が将来何をしたいのかが全く分からなかったのです。どんな仕事・生活を送りたいのか、何を目標にしたいのかが全く分かりませんでした。
分からないから、とりあえず環境を変えてみよう。分からないからこそ、新天新地で新たな人生を歩んでみよう。
気がついた時には、周りの反対を押しのけ、会社を辞め、無職での香港生活を始めていました。
移住後の生活
仕事はすぐに見つかった
日本の会社を辞める際、色々なことを言われました。
「香港は金融の街だよ。君に何ができるの。」
「人脈もコネクションもないのに、失敗するよ。」
「一部上場企業を辞めて無職になるなんて、何を考えているの。」
そんな言葉とは裏腹に、仕事はすんなりと見つかりました。
そしてリストラも経験した
あんなに日本で恐れていたリストラでしたが、33歳という若さで解雇通知を受けるという経験もしました。
勤務先の企業が米国の大手企業に買収され、同時に香港の営業チーム全員が解雇されるという流れだった訳ですが、初めての経験だったため、非常に落ち込んだことを覚えています。
ただ、この経験を通して、別にリストラは怖いことではないということ、何かを失って更に良いものを得ることができるということを知ることができたことは大きな収穫でした。
香港移住後に得た大きな財産
永住権
香港は、七年間滞在をしながら税金を納めることで、誰でも永住権を得ることができます。
加えて、現地での投票権や政府からの香港人対象の福利厚生の授与など、ほぼ市民権と変わらない特権を得ることができます。
これは、凄いことです。
日本国籍を維持しながら、一人の日本人として香港での永住居住権を有することで、人生の選択肢が大きく広がることになります。
広東語の上達
まだまだ赤ちゃんレベルではありますが、簡単な会話くらいであれば、広東語でも問題なく続けることができるようになりました。
北京語を流暢に話す外国人は世界中にたくさんいますが、広東語は決して多くはありません。自身に一つの希少価値を与えることができたと思っています。
様々な人々との出会い
香港人のバックグラウンドは多種多様です。香港生まれ・育ちの人、中国大陸からの移民、北米や英国はもちろん、中南米やアフリカ諸国出身の華僑・華人などなど・・・
その他にも超富裕層から貧困層まで、本当に色々な人と出会い、交流を図ってきました。
コスタリカ出身の華僑の方の里帰りに同行させてもらったり、中国大陸の親戚との集まりに同席させてもらったり、超富裕層の実業家に投資の基礎を教えてもらったり・・・。
苦労もたくさん経験しましたが、それ以上にたくさんの出会い、つまりたくさんの財産を得ることができました。
会社の設立
理由もなく、会社も設立しました。ペーパーカンパニーではありますが、今後の様々なビジネスアイデアのために維持をする予定です。
まとめ
以上、ざっとではありますが、私が日本を出た理由・香港移住後の生活・移住後に得たものについて纏めてみました。
人生、予測できないことの連続です。自分の人生ですらコントロールすることは不可能です。一度きりの人生、少しでも冒険心がある人には、海外移住はお勧めです。
失敗したら、日本に帰国すれば良いのです。別に恥ずかしいことでも何でもありません。